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なぜ、中小企業はSFAやCRMを活かせないのか

今、販売戦略や営業活動など、マーケティングに関する概念が大きく変わってきています。

ルート営業や個別訪問など、直接のアプローチ手法はまだまだ残りますが、それだけでは売上を伸ばすことができない現在では、さまざまマーケティング手法を取り入れた販売活動が必要になってきます。

特に、中小企業の多くが、販売・営業戦略を苦手としています。その理由は、元請企業や大手企業に頼ってきた関係から、自社で販売するノウハウやマーケティングに関する知識・経験が少ないところにあります。
また、かつては営業マンから情報を仕入れていた顧客も、WEBサイトやSNSから多くの情報を自ら収集するようになり、営業マンからのアプローチにもなかなか応じてくれないようになり、アポイントをとることさえも難しくなってきています。

今までの方法ではうまくいかない、 自社のノウハウがないところに、高価な／高度なシステムを導入しても、なかなか実績が出せるものではありません。結果として、データの蓄積ができたとしても、もっとも重要な「情報の活用」までに至らないからです。

販売力・営業力としてIT化の効果が出るのは、この「情報の活用」ができるようになってからです。

SFAやCRMシステムを導入したけれど、実際の売上アップにつながらない・・・

その多くが、ITの機能的な問題ではなく、システム（売る仕組み）の構築ができていないのが原因です。SFAやCRMをうまく活用している企業は、こうした売るための仕組みがしっかりと出来ています。

農耕型のアプローチが大切なSFAやCRM

基幹システムの導入とSFAやCRMに代表される営業活動や販売支援をシステム化する手法は少し違っています。

私は、これらを「狩猟型」と「農耕型」と区分けしています。

狩猟型の基幹システムでは、運用（流れ）が決まれば後はそれらをどう単純化し、効率よく、早く処理をするのかをめざすことになります。大きな経営戦略の変更がない限り、基本となるシステム（ベース）はあまり変わることがありません。狩猟の武器が変われば、もちろんシステムも変えなければなりませんが、それはそんなに短期間にはおこらない事象と考えて良いと思います。

対して、農耕型のSFAやCRMは、PDCAサイクルと繰り返すことにより、徐々にステップアップを図りながら最善の方法を見つけていきます。実践して成果がでなければ、場合によっては戦略から練り直す必要があります。また、成果を見極めるまでには、ある程度の期間を費やす必要があります。また、戦略を見直すまではしなくても、微細なシステムの修正は都度図っていく必要があります。

システム化とIT化は違う

SFAやCRMシステムの場合、システム化とIT化を明確に区別して考える必要があります。

システム化は、仕事の仕方（方法）を定義することであって、その実現は、コンピューターを使わなくてもできることも含まれています。
もしかすると、IT化をしなくても充分にこなせるシステム化もあるかも知れません。

システム化によって見直しをかけた仕事の一部を、コンピューターに任せる、またはコンピューターの仕組みを使う部分がIT化です。
決定したシステム化のルールにしたがって、計算処理や多くのデータ処理など、コンピューターに任せた方が良い部分だけをIT化します。
この考え方を整理して取り組むと効果的なのが営業活動や販売活動におけるIT化です。

すべての仕組みをIT化するのではなく、実際に試してみて効果が期待できそうなところ、効果があったところをIT化して定着させる、または高度化していく、などの手法が有効です。

試して、徐々に仕組み化する領域だからこそ、システム化からしっかりと取り組みましょう。