お客様の背中を押すしくみ 中小企業でもできるマーケティングのヒント
色々なセミナーに参加させていただいています。
最近では、内容も豊富になり、無料、有料などさまざまなセミナーが開催されていますが、 集客の方法から始まって、受付の対応、セミナーの進め方やその後のフォローなど 主催者によってその方法はさまざまです。
あるセミナーでの体験
あるコンサルタント会社主催のセミナーでの体験です。
あらかじめ事前登録制だったセミナーで、到着するとすでに席が決まっていて「こちらへどうぞ・・」と案内されたのが、最前列の講師の目の前の席。
後で聞いた話ですが、事前に出席者のリサーチがされていて、成約のターゲットとして優先順位をつけて、あらかじめ席順を決めてあったとのこと。
その場で商品の購入を決めた私は、しっかりとこの戦略に乗ってしまったことになります。
でも、考えてみると、始めから「興味があって」「いいな」と思って参加していますから、あと一歩の販売への押しがうまかった ということですね。
購入意欲の図り方もいろいろな組み合わせがあったのだとは思うのですが、
参加申し込みのページに、
・特に、当日講師に聞いてみたいこと
・セミナー終了後の30分無料カウンセリングの申し込みの有無
などの項目がありましたから、しっかりとそれに記入した私は、マッチすれば購入まで最短距離の顧客として分類されたのだと思います。
イベントやセミナーに販売への後押しの仕組みを用意する
中小企業では、あまり費用をかけた大掛かりなマーケティングは難しいものです。
ただ、少し工夫をすることで先の事例にあったように、セールス(販売)への後押しになるような仕組みを用意することができます。
例えば、クリスマスイベントでの企画を練ったとします。
11:00から開始のイベントに、会員特別優待で、1時間前から参加いただける企画を用意します。
会員さんへのアプローチに見えますが、これをうまく演出して、後から参加される一般の方に向けた会員勧誘のアプローチにします。
11:00に参加した一般の方は、すでに、会場になごやかな雰囲気の人たちがいるのを見て
「どうして、あの方々は先にいるのかしら・・」
「いいわね。」
と感じていただけるように演出できれば、 会員制度の存在を知って頂き、重ねて「会員になった自分」をイメージしていただける機会になります。
これに、「会員申込カウンター」を設置して、その場で申し込みできる環境も用意し、会員の方には「お友達紹介チケット」などを用意して、後押しのツールとします。
販売にむすびつかないイベントでも、今後のマーケティング材料を収集する場に
こうした、お客様との接点はとても重要な機会です。
店頭でのアプローチとは別に、イベント用に特別なアプローチを企画してみましょう。
通常のアンケートとは、別のアンケート項目を用意し
・イベントへの感想(顧客満足度を聞く)
・あったらほしいサービスを聞く(新商品/新サービスへのヒント)
など、その場の雰囲気や参加されるお客様のセグメントを考えて、普段とは違ったお客様の声を収集します。
また、ビデオで生のお客様の声を撮影し、販促用に使用したりと、準備さえしっかりできていれば、その後の活用方法をいろいろと考えることができます。
終了してしまった後では、できない作業ですからくれぐれも事前準備を怠らないようにしてください。
目標をスタッフ全員で共有してチャレンジの場に
イベントでは、さまざまな目標値の設定をしましょう。
会員の方に再来店を促すようなプロモーションや、新規会員の加入者獲得など、必ず目標値を設定して、それと連動する企画を用意していきます。
職場と離れたこうした取り組みは、スタッフのいろいろな面が発揮できて、団結力を高める効果や普段は見ることができない、素敵な部分などを発見できる場でもあります。
その上で、掲げた目標は必ずスタッフ全員で共有して、チャレンジしてもらう場にしていきます。
アンケート係の目標は、10枚のアンケートの獲得。
会員申し込みカウンターでは、3名の新規申し込みの獲得。
そして、営業スタッフは、参加者のアテンドと、それぞれの係から進捗を確認し、目標に達するまでお客様をその場に誘導したりの援護活動をおこないます。
そうして、チームで目標までの動線をしっかりと用意することで達成感も充実しますし、なにより、結果を定量的に把握することができます。
如何でしょうか。
大手企業では当たり前のように行われている仕組みが、なかなか実現できないのが中小企業の悩み。
すべてのことを少ないスタッフと、コストをあまりかけずに運営しなければならない状況でも、こうした仕組みを繰り返してチャレンジしていくことで、効率や規模もすこしずつアップしていくことができます。
是非、最初は小さな成果でも、継続してみてください。
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