CRM導入の目的も大きく変わってきています
ご相談をいただく企業に、CRM導入の目的を聞かせていただいています。
扱う商品やサービス、販売形態も違う企業ごとの悩みがあってご相談いただくのですが、「売上をアップしたい」との思いでIT化を期待される声が多くなってきています。
今までのIT化やパッケージソフトでは、
● CRMは既存客の管理を中心に「お客様サービスの向上」「会員管理」で利用し、
● 見込み客を追う営業ツールのITは日報管理や営業案件管理に使う
という具合に、なんとなくすみわけがあった運用方法も、販売手法の変化によって変わってきているのを感じます。
世の中の流れを見てみると、
見込み客の段階から、お客様を中心に「まさにあなたの為に存在するサービスです」と訴えかけるようなマーケティングや、直接販売に結びつくようなダイレクトマーケティングが主流になっていることなどをみても、既存顧客だけを扱うCRMでは役にたちそうにありません。
さらに、商品の注文を受けるテレコールセンターの役割も、受注のみの事務的手続きを担当する部門から、アップセルや継続課金のお勧めなど、営業的な要素が加わっていることをみると、それらを支えるITの体系も変わっていかなければいけません。
CRMはお客様を管理するツールから、マーケティングや販売の主軸になるツールへと確実にその領域を広げています。
ハーレーダビッドソンジャパンでは、早くからCRMを販売の中心としてIT化してきました。
圧倒的な数の見込み客を集約したCRMシステムを元に、営業活動のほとんどの指標はシステムに登録された活動内容から抽出し、その実績と効果を測定し、営業戦略/活動評価へとつないでいます。
それらを支える顧客情報の見込み客の数は、既存客に対して約300倍にも及びます。
こられの情報をすべて活用し、マーケティングとSFA(セールス・フォース・オートメーション:営業支援システム)を実践しています。
このあたりの詳しい内容は、「日本発 ハーレーダビッドソンがめざした顧客との「絆づくり」 奥井 俊史 著」に書かれていますが、新規需要創出を目指したシステムやその運用方法は、まさに今の時代に求められている売上をアップするツールとして必要なのではないかと思っています。
以下の表は、ご相談いただいている企業の導入目的について整理したものです。
CRMを導入する目的は?
項目 | 目的 |
---|---|
お客様の優先順位を知り、効率よく営業活動をおこないたい | |
購入履歴から、次に勧めるべき商品など、販売アプローチの方法を考えられるようになりたい | |
来月、どのくらいの売上が見込めるのか、売上予測や目標達成まであとどのくらいかの目処がほしい | |
お客様との関係性をもっと強くするために、定期的にお客様へのフォローを実施したい |
|
新商品や新サービスの販売をできるだけ短期間で立ち上げたい | |
新店舗/新事業所の開設のために、ある程度の営業先をもっておきたい | |
利用者の平均年齢や住所の分布などから、マーケティグ戦略を練りたい | |
多い問合せなどを知り、電話対応などのコスト軽減策を検討したい |
弊社の特徴としてマーケティングや販売を主な目的としたCRMをご提案させていただいていますので、いただいている目標もそれらを主体としたご希望になっていると思います。
CRMにたいする期待やできる機能など、少し今までの枠よりも広がったイメージを感じていただけたでしょうか。
商品はますますコモディティ化(差別がしにくくなり、一般消費化すること)し、さらに販売は難しくなってきています。
販売を見直したいとおもったら、こうしたCRMの活用も検討してみてください。
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- お客様はどう思っていますか?
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