CS-顧客満足度をあげるために、表層機能を活用しよう
CRMの導入目的のひとつに、「お客様対応の質の改善」を掲げられる企業さんが多くいらっしゃいます。
CS(顧客満足度)の向上ですね。
販売においての、最重要項目ですから、どの企業も気になるはずです。
このCS向上の仕組みについて-が今回のコラムの内容です。
顧客満足のメカニズム
すこし、システムとは離れますが、どうすればお客様はあなたの商品やサービスに満足してくれるのか。
お客様の心理についてご説明します。
上図は、2つのある機能を充実させてお客様の満足度を表した概念図です。
「本質機能」は、充実度を増しても、一定のところで顧客満足は止まってしまい、それ以上、上がることはありません。
一方、「表層機能」は、充実度を増すほど、顧客満足度は上がって行きます。
満足度を上げていくには、この「表層機能」がキーになることが解っていただけると思います。
「本質機能」「表層機能」って何
本質機能は、ある商品やサービスにとって、お客様が提供されて当たり前と思っている機能のことです。
例えば、不動産会社で家を買う
お客様にあった物件の探したり、売主さんと交渉したり、契約を行うのは本質機能。
過失責任などの契約条項をきちんと説明するのも本質機能です。
お客様にとって、当然と期待されている機能ですから、絶対に必要でこれが良い事は必要条件です。
ただ、ここをどんなに充実しても、ある一定以上の顧客満足度までしか達することができません。
そして、この機能が満足できないと、逆にお客様満足度は「不満足」になってしまいます。
自分の商品・サービスにとっての「本質機能」は何か、を考えてみてください。
では、「表層機能」って
表層機能は、
「え、ここまでやってくれるの・・・」お客様が期待していなかった、サービス、情報などの付加機能のことです。
先の例でいえば、
小学生のお子様がいれば、転校の手続きや役所の場所を案内する
ローンの支払いなどにからめて、生活設計のアドバイスを商品として用意する
など、お客様が当然と思わない機能を付し提供することで、良い意味で感情に働きかけることです。
この表層機能は、あらゆる手段がとれますし、様々なことを組み合わせたり、時として変化させることもできます。
これらを、どれだけ効果的に活用することができるかが大きく顧客満足度をアップする鍵になります。
幸いなことに「本質機能」と違って、たとえ無かったとしても、的が外れてしまったとしても
お客様満足度は増えない変わりに減ることはありません。
お客様満足度の向上ツールとして、この表層機能を使う
お客様満足度の向上は、再購入や継続利用、クチコミによる販促など、販売の継続にとってなくてはならないものです。お客様がこんな風にしてくれたら喜んでくれるはず。と思えるサービスを取り入れてみてください。
気をつけなければいけないのは、
・企業側の都合ではなく、あくまでもお客様の気持ちになって考えること
・商品、業態にとらわれずに、(時には大きくそれを飛び越えて)考えてみること
です。
商品の本質で勝負すると、どうしても価格勝負になってしまいますが、この表層機能をうまく活用することで、他社との差別化もでき、価格競争にも巻き込まれなくなります。
特に、中小企業の場合、商品そのものの本質で勝負すると、コストや開発費などの面で大手企業にたちうちできるものではありません。
でも、中小企業だからできるきめ細やかな表層機能を使えば、お客様に選んでいただける商品にすることができます。
CRMシステムをどう活用するか
これらの機能をどう、CRMシステムと絡めていくのかについてご説明します。
方法は、お客様情報にしっかりと、「やったこと」(履歴)を記録していきます。
CRMは、これらを記録しておくこと、そして、その結果を分析するために活用します。
どんなに施策をうっても、それの結果を検証できる仕組みがなければ、闇の中をさまよっているようになってしまいます。
やる前とやった後。やらなかった人とやった人。
前年と今年、などを施策とからめて比較対象することで、進む方向も見えてきます。
都度、アンケートなどを活用してお客様満足度を調査できるような仕組みも取り込めればより測定しやすくなります。
お客様対応の質の改善・・・なんとなく良くなってきたかなぁ、ではダメだし、
クレームが減りました! ってこれもダメ。
ほとんどのお客様は、クレームを言わずにただ去っていきますからクレームゼロとお客様満足度は違うものです。
如何でしょうか。
どこまで改善するか目標をたてて、都度計測していく。
中小企業では、この検証作業やお客様満足度、結果の計測ができていないのが現象です。
ちょっと、難しいかも知れませんが、トライしてみることで確実に次の一歩に進むことができます。
- なぜ、顧客管理システムは定着しないのか
- お客様はどう思っていますか?
- CRMをマーケティングに活用するには
- 業務マニュアルを作成・活用していますか
- CS-顧客満足度をあげるために、表層機能を活用しよう
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